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ITマネジメント

企業がITを活用して事業を進めるとき、「ITをどう方向づけるか」という戦略レベルの判断と、「実際にどう運用・管理するか」という実務レベルの活動は分けて考える必要があります。後者の実務レベルの活動がITマネジメントです。

ITマネジメントとは、ITガバナンスで定められた方針や目標に基づいて、IT資源(システム、人材、予算など)を計画・調達・運用・管理する一連の実務活動のことです。言い換えれば、経営層が示した「ITをこう使おう」という方向づけを、現場の担当者が具体的な行動に落とし込んで実行していく活動です。

ITガバナンスとITマネジメントの違い

Section titled “ITガバナンスとITマネジメントの違い”

ITマネジメントを理解するうえで最も重要なのは、ITガバナンスとの違いを明確にすることです。この2つはよく混同されますが、役割と主体が異なります。

項目ITガバナンスITマネジメント
主体経営者(経営層)IT部門の管理者・実務者
役割ITの方向づけ・監視ITの計画・実行・管理
視点「何を目指すか」を決める「どう実現するか」を実行する
具体例IT投資方針の決定、IT活用の監督システムの運用管理、IT資産の棚卸し

たとえるなら、ITガバナンスは「船の進む方角を決める船長」、ITマネジメントは「実際に帆を張り舵を切る乗組員」にあたります。船長が方角を指示しなければ船は迷走しますし、乗組員がしっかり操船しなければ目的地にはたどり着けません。両方がそろって初めて、企業はITを効果的に活用できるのです。

試験で出るポイント

ITガバナンスとITマネジメントの定義を入れ替えた選択肢が出題されます。「ガバナンス=経営者の方向づけ・監視」「マネジメント=実務者の計画・実行」というセットで覚えましょう。

ITマネジメントには、さまざまな管理活動が含まれます。代表的なものを見てみましょう。

IT投資管理は、ITに関する投資の計画や効果測定を行う活動です。新しいシステムの導入にどれだけの費用をかけ、どれだけの効果が見込めるかを検討し、限られた予算を適切に配分します。

IT資産管理は、企業が保有するIT関連の資産(パソコン、サーバー、ソフトウェアライセンスなど)を把握し、適切に管理する活動です。「どの部署にどのPCがあるか」「ソフトウェアのライセンス数は足りているか」などを管理することで、無駄なコストやセキュリティリスクを防ぎます。

ITリスク管理は、IT活用に伴うリスク(システム障害、情報漏えい、サイバー攻撃など)を洗い出し、対策を講じる活動です。リスクを完全にゼロにすることはできませんが、あらかじめ備えておくことで被害を最小限に抑えることができます。

ITサービスの提供と管理は、社内や顧客に対してITサービスを安定的に提供し、その品質を維持・向上させる活動です。たとえば、社内ヘルプデスクの運営や、システムの稼働状況の監視などが該当します。

PDCAサイクルによる継続的な改善

Section titled “PDCAサイクルによる継続的な改善”

ITマネジメントの実務は、一度やって終わりではありません。PDCAサイクルを回して継続的に改善していくことが重要です。

ステップ内容ITマネジメントでの例
Plan(計画)目標を設定し、計画を立てるIT投資計画の策定、セキュリティ対策の計画
Do(実行)計画に基づいて実行するシステムの導入、運用ルールの適用
Check(評価)結果を確認し、計画との差を分析するシステム稼働率の測定、コスト実績の確認
Act(改善)問題点を改善し、次の計画に反映する運用手順の見直し、投資配分の調整

PDCAサイクルを繰り返すことで、ITマネジメントの質は少しずつ向上していきます。

ITマネジメントは、ITガバナンスが示す方針に従って、IT資源を実務レベルで管理・運用する活動です。IT投資管理、IT資産管理、ITリスク管理、ITサービスの提供と管理など、幅広い領域をカバーします。試験では「ITガバナンスとの違い」が最も問われやすいポイントですので、それぞれの主体と役割の違いをしっかり押さえておきましょう。

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