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業務の把握

企業が業務を改善したり、新しいシステムを導入したりするには、まず「今の業務がどのように行われているか」を正確に把握する必要があります。この章では、業務内容を把握するための情報収集の手法と、把握した業務を目に見える形で整理するビジュアル表現について学びます。

業務の実態を知るためには、現場から情報を集めることが出発点です。代表的な情報収集の手法として、アンケートインタビューフィールドワークの3つがあります。

アンケートは、あらかじめ用意した質問票を配布し、多くの人から一斉に回答を集める手法です。

  • 強み: 短時間で大量のデータを収集でき、集計・比較がしやすい
  • 弱み: 質問の設計が不適切だと、本質的な情報を得られない。また、回答者の真意を深掘りしにくい

たとえば、社内で「現在の業務で困っていることは何ですか?」という質問を全社員に配布すれば、どの部門にどのような課題が多いかを数値的に把握できます。

インタビューは、対象者に直接質問して情報を得る手法です。アンケートに比べて深い情報を引き出せるのが特徴です。インタビューには、質問の自由度に応じて3つの種類があります。

種類特徴適した場面
構造化インタビュー質問項目と順序をあらかじめ決めておく複数人の回答を統一基準で比較したいとき
半構造化インタビュー主要な質問は決めておくが、回答に応じて追加質問する基本的な情報を押さえつつ、深掘りもしたいとき
非構造化インタビュー質問を事前に決めず、自由に対話する未知の課題や潜在的なニーズを発見したいとき

構造化インタビューは「正確な比較」に向いており、非構造化インタビューは「新たな発見」に向いています。半構造化インタビューはその中間で、実務では最もよく使われる形式です。

試験で出るポイント

構造化・半構造化・非構造化インタビューの違いは、「質問の自由度」で整理しましょう。構造化=自由度が低い(質問固定)、非構造化=自由度が高い(自由対話)です。

フィールドワークは、実際の業務現場に出向いて、業務の様子を直接観察する手法です。

アンケートやインタビューでは、回答者の主観や記憶に頼るため、実際の業務と異なる情報が得られることがあります。フィールドワークでは、現場で起きていることをそのまま観察するため、当事者が意識していない暗黙の手順や非効率な作業を発見しやすいという強みがあります。

たとえば、コールセンターの業務改善を行うとき、担当者へのインタビューだけでなく、実際に隣に座って応対の様子を観察すると、「電話中に何度も別のシステムに切り替えている」といった、本人が当たり前と思って報告しない非効率を発見できます。

手法情報の広さ情報の深さコスト
アンケート広い(多数対象)浅い低い
インタビュー中程度深い中程度
フィールドワーク狭い(現場限定)非常に深い高い

実際の業務把握では、これらを組み合わせて使うのが効果的です。まずアンケートで全体像をつかみ、気になる点をインタビューで深掘りし、重要な業務はフィールドワークで直接確認する、という流れがよく取られます。

情報収集によって業務の実態がわかったら、次はそれを目に見える形に整理します。業務の流れを図で表現する業務フロー図は、もっとも基本的なビジュアル表現の手法です。

業務フロー図を作成すると、次のようなメリットがあります。

  • 業務の全体像を一目で把握できる
  • 作業の重複や無駄な手順を発見しやすくなる
  • 関係者間で業務の流れについて共通認識を持てる
  • システム化すべきポイントを特定しやすくなる

たとえば、「注文を受けてから商品を発送するまで」の業務を文章で説明すると複雑になりますが、フロー図にすると処理の流れや分岐が一目瞭然になります。

[業務フロー図の例を挿入]

試験で出るポイント

業務の把握では「情報を集める手法」と「集めた情報を整理する手法」の両方が問われます。情報収集=アンケート・インタビュー・フィールドワーク、可視化=業務フロー図、という対応を押さえましょう。

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