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意思決定

ビジネスでは日々、さまざまな判断を下す必要があります。「どの商品をいくつ仕入れるか」「新規事業に投資すべきか」——こうした判断を効率的かつ合理的に行うための考え方や手法を意思決定の手法と呼びます。この章では、データやモデルを使って意思決定を支援するための基本的な手法を学びます。

デシジョンツリー(決定木)は、意思決定の選択肢とその結果を、ツリー(木)の形で整理する手法です。

分岐点には2つの種類があります。

  • 決定ノード(四角形): 意思決定者が選択する分岐(例:「新商品Aを開発する」or「既存商品を改良する」)
  • 確率ノード(丸形): 不確実な事象による分岐(例:「市場が好調」or「市場が不調」)

各分岐の先に期待される利益(または損失)を記入し、確率を掛け合わせて期待値を計算することで、どの選択肢が最も有利かを定量的に比較できます。

[デシジョンツリーの例を挿入]

試験で出るポイント

デシジョンツリーの問題では、各選択肢の期待値を計算して比較する形式が出題されます。「利益 × 確率」の合計で期待値を求めましょう。

モデル化とは、現実の複雑な問題を、計算や分析がしやすいように単純化して表現することです。モデル化には大きく2つの種類があります。

モデルの種類説明
確定モデル条件が決まれば結果が一つに定まるモデル「単価 × 数量 = 売上」の計算式
確率モデル結果に不確実性が含まれ、確率で表現するモデル「明日の来店客数は平均100人、標準偏差20人の正規分布に従う」

確定モデルは計算が簡単ですが、現実の不確実性を反映できません。確率モデルは現実に近い予測ができますが、計算が複雑になります。

シミュレーションは、モデルを使って「もし〜だったらどうなるか」をコンピュータ上で繰り返し試す手法です。

たとえば、新店舗の出店計画を検討するとき、来客数や売上を確率モデルで表現し、何千回もシミュレーションすることで、「80%の確率で初年度黒字になる」といった予測が可能になります。実際に店舗を出す前にリスクを評価できるのが大きなメリットです。

データ同化とは、シミュレーションの予測結果と実際の観測データを組み合わせて、モデルの精度を継続的に向上させる手法です。天気予報などで広く使われています。

データ分析による意思決定の手法

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データを分析して意思決定に活用する際、目的に応じていくつかの手法が使い分けられます。

手法説明ビジネスでの活用例
予測過去のデータから将来の値を推定する来月の売上予測、需要予測
グルーピングデータを類似性に基づいてグループに分ける顧客セグメンテーション
パターン発見データの中に繰り返し現れる法則を見つける購買パターンの発見(「AとBを一緒に買う傾向」)
最適化制約条件のもとで、最良の解を見つける配送ルートの最適化、在庫量の最適化

意思決定の代表的な応用例が在庫管理です。在庫は少なすぎると販売機会を逃し(機会損失)、多すぎると保管コストがかさみます。最適な在庫量を維持するために、2つの代表的な発注方式があります。

定量発注方式は、在庫量があらかじめ決めた水準(発注点)を下回ったタイミングで、一定量を発注する方式です。

  • 発注のタイミング: 在庫が発注点に達したとき(不定期)
  • 発注量: 毎回同じ量(経済的発注量
  • 特徴: 需要が安定している商品に向いている

試験で出るポイント

定量発注方式では「発注費用と在庫維持費用の総額が最小となる発注量が最適」という考え方が出題されています(2023年 問24)。

定期発注方式は、一定の間隔(毎週、毎月など)で、そのつど必要な量を計算して発注する方式です。

  • 発注のタイミング: 決まった周期(定期)
  • 発注量: そのつど計算する(不定量)
  • 計算式: 発注量 =(発注間隔 + 調達期間)× 毎日の使用予定量 + 安全在庫量 − 現在の在庫量 − 現在の発注残
比較項目定量発注方式定期発注方式
発注タイミング不定期(在庫が発注点を下回ったとき)定期(決まった周期)
発注量一定(経済的発注量)変動(そのつど計算)
管理の手間比較的少ない毎回計算が必要
向いている商品需要が安定した商品需要が変動する重要な商品

試験で出るポイント

定期発注方式の計算式が出題されています(2024年 問24)。「発注間隔+調達期間」の期間に必要な量を求め、安全在庫を加え、現在の在庫と発注残を引く、という構造を理解しましょう。

与信管理とは、取引先に対して「いくらまで掛け売り(後払い)を認めるか」を管理する仕組みです。取引先ごとに与信限度額を設定し、受注残高や売掛金がこの限度額を超えないように管理します。

与信限度額を超える注文が入った場合は、前払いを求めたり、取引を制限したりすることで、代金を回収できなくなるリスク(貸倒れリスク)を抑えます。

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