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ソフトウェアライセンス

ソフトウェアは著作権法で保護される著作物です。私たちがソフトウェアを使用する際、通常は開発者(権利者)から利用許諾を受けて使っています。この利用許諾の条件を定めた取り決めがソフトウェアライセンスです。この章では、さまざまなライセンスの形態と、その特徴を学びます。

使用許諾契約(ライセンス契約)

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使用許諾契約とは、ソフトウェアの著作権者(権利者)が、利用者に対してソフトウェアの使用を許諾する契約です。EULA(End-User License Agreement: エンドユーザー使用許諾契約)とも呼ばれます。

使用許諾契約では、一般的に次のような条件が定められています。

  • ソフトウェアをインストールできるコンピュータの台数
  • コピーの可否と範囲
  • 第三者への再配布の可否
  • 改変・リバースエンジニアリングの可否
  • 契約の解除条件

重要なのは、ソフトウェアの購入は「所有権の取得」ではなく「使用する権利(ライセンス)の取得」であるということです。ライセンス契約に違反する使い方は、著作権侵害にあたる可能性があります。

ボリュームライセンス契約は、企業や団体がソフトウェアを大量に導入する際に利用される契約形態です。個別にパッケージを購入するよりも割安な価格で、多数のライセンスをまとめて取得できます。

たとえば、社員500人の企業がオフィスソフトを導入する場合、500本のパッケージ版をそれぞれ購入する代わりに、ボリュームライセンス契約で500ライセンスをまとめて契約することで、コストを抑えられます。

サイトライセンス契約は、特定の事業所(サイト)や組織内であれば、台数を問わずにソフトウェアを使用できる契約です。ボリュームライセンスとの違いは、利用台数の上限がないことです。大学のキャンパス全体でソフトウェアを利用する場合などに適しています。

CAL(Client Access License)は、サーバー上で動作するソフトウェアにクライアント(利用者側のコンピュータ)からアクセスする権利を付与するライセンスです。サーバーソフトウェア本体のライセンスとは別に、アクセスするクライアントの数だけCALが必要となります。

たとえば、ファイルサーバーに50台のPCからアクセスする場合、サーバーソフトウェアのライセンスに加えて、50個のCALが必要です。

シュリンクラップ契約は、パッケージソフトウェアの包装(シュリンクラップ = 透明フィルムの包装)を開封することで、使用許諾条件に同意したとみなされる契約方式です。

パッケージの外側に「開封すると使用許諾契約に同意したことになります」といった注意書きが記載されており、利用者が包装を開封した時点で契約が成立します。開封前に条件を詳細に読んでいなくても、開封行為そのものが承諾の意思表示とみなされるのが特徴です。

類似の方式として、ソフトウェアのインストール時に画面上で「同意する」ボタンをクリックすることで契約が成立するクリックラップ契約(クリックオン契約)もあります。

試験で出るポイント

シュリンクラップ契約は「開封 = 同意」がポイントです。「条件を理解していなくても開封すれば契約成立」という特徴を理解しましょう。

サブスクリプションは、ソフトウェアを定額の料金一定の期間利用できるライセンス形態です。月額や年額の料金を支払っている間はソフトウェアを利用でき、支払いを停止すると利用できなくなります。

従来の「買い切り型」ライセンスと比較した特徴は次の通りです。

比較項目買い切り型サブスクリプション
費用の発生購入時に一括払い月額・年額で定期払い
バージョンアップ追加費用が必要な場合が多い契約期間中は最新版を利用可能
利用期間無期限契約期間中のみ
初期費用高い低い

近年のクラウドサービスの普及に伴い、サブスクリプション型のライセンス形態が急速に広がっています。

試験で出るポイント

「定額の料金や一定の期間での利用」を表す用語としてサブスクリプションが出題されています。アクティベーション(利用開始手続き)やボリュームライセンス(大量購入)との区別がポイントです。

アクティベーションは、ソフトウェアのインストール後に、正規のライセンスであることを確認するための利用開始手続き(認証手続き)です。インターネットや電話を通じて、ソフトウェアのプロダクトキーとハードウェア情報を組み合わせて認証を行います。

アクティベーションの目的は、1つのライセンスが複数のコンピュータで不正に使われること(不正コピー)を防ぐことです。

オープンソースとフリーソフトウェア

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オープンソースソフトウェア(OSS)

Section titled “オープンソースソフトウェア(OSS)”

オープンソースソフトウェア(OSS: Open Source Software)は、ソースコードが公開されており、誰でも自由に使用・改変・再配布できるソフトウェアです。ただし、「何でも自由」というわけではなく、OSSライセンス(GPL、MIT License、Apache Licenseなど)に定められた条件に従う必要があります。

OSSの代表例には、Linux(OS)、Apache(Webサーバー)、Firefox(Webブラウザ)などがあります。

フリーソフトウェアは、利用者が自由に使用・複製・改変・再配布できるソフトウェアです。ここでの「フリー」は**「自由(freedom)」**の意味であり、必ずしも「無料(free of charge)」を意味するわけではありません。

重要な点として、フリーソフトウェアであっても著作権は放棄されていません。著作権者がライセンスを通じて利用の自由を認めているだけであり、ライセンスの条件には従う必要があります。

パブリックドメインソフトウェア

Section titled “パブリックドメインソフトウェア”

パブリックドメインソフトウェアは、著作権者が著作権を放棄したソフトウェアです。誰でも自由に使用・改変・再配布でき、ライセンス上の制約もありません。フリーソフトウェアやOSSとの違いは、著作権そのものが存在しないという点です。

分類著作権ソースコード利用条件
商用ソフトウェアあり非公開使用許諾契約に従う
オープンソースソフトウェアあり公開OSSライセンスに従う
フリーソフトウェアあり公開の場合が多い自由に利用可能(条件あり)
パブリックドメインソフトウェアなし(放棄)公開制約なし

試験で出るポイント

フリーソフトウェアにも著作権は存在することを理解しましょう。「フリー = 著作権なし」ではありません。また、OSSはソースコードが公開されていることが最大の特徴であり、必ずしも無料とは限りません。

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