デジタル化
私たちの身の回りには、温度や音声、光の明るさなど、さまざまな情報があふれています。こうした情報をコンピュータで扱うためには、「デジタル化」という変換が必要です。ここでは、アナログとデジタルの違いを理解したうえで、デジタル化の仕組みを学びましょう。
アナログとデジタル
Section titled “アナログとデジタル”アナログとは
Section titled “アナログとは”アナログとは、情報を連続的に変化する物理量で表す方式です。「連続的」とは、途切れることなくなめらかにつながっている、ということです。
たとえば、水銀温度計を思い浮かべてください。温度が上がると水銀の高さがなめらかに変化します。20.0℃と21.0℃の間には、20.1℃、20.15℃、20.153℃……と、いくらでも細かい値が存在します。このように、値が連続して変化するのがアナログの特徴です。
アナログの身近な例としては、次のようなものがあります。
- 水銀温度計 — 温度を液面の高さで連続的に示す
- アナログ時計 — 針の角度で時刻を連続的に示す
- レコード盤 — 溝の凹凸で音の振動(波形)をそのまま記録する
デジタルとは
Section titled “デジタルとは”デジタルとは、情報を離散的な(とびとびの)数値で表す方式です。「離散的」とは、値が段階的に区切られていて、中間の値がないことを意味します。
デジタル時計を例にすると、表示は「12:30」から「12:31」に切り替わり、その間の「12:30.5」は表示されません。値が段階的に変化する(とびとびの値をとる)のがデジタルの特徴です。
デジタルの身近な例としては、次のようなものがあります。
- デジタル時計 — 時刻を数字で段階的に表示する
- CD(コンパクトディスク) — 音声をデジタルデータとして記録する
- デジタル体温計 — 体温を数値(例:36.5℃)で表示する
アナログとデジタルの比較
Section titled “アナログとデジタルの比較”| 項目 | アナログ | デジタル |
|---|---|---|
| 値の変化 | 連続的(なめらか) | 離散的(とびとび) |
| 表現方法 | 物理量の変化そのもの | 数値(0と1の組み合わせ) |
| 身近な例 | 水銀温度計、アナログ時計 | デジタル時計、CD |
| コンピュータとの相性 | そのままでは扱えない | そのまま扱える |
試験で出るポイント
デジタル化(A/D変換)とは
Section titled “デジタル化(A/D変換)とは”現実世界の音声や画像などのアナログ情報を、コンピュータが扱えるデジタルデータに変換することをデジタル化(A/D変換、Analog to Digital変換)といいます。
A/D変換は、次の3つのステップで行われます。
- 標本化(サンプリング)
- 量子化
- 符号化
この3ステップを、音声のデジタル化(CDに音楽を録音する場合)を例に、順番に見ていきましょう。
標本化(サンプリング)
Section titled “標本化(サンプリング)”標本化(サンプリング)とは、連続的に変化するアナログ信号から、一定の時間間隔で値を取り出す処理のことです。
音声を例にすると、マイクが拾った音の波形は連続的に変化しています。この波形から、たとえば「1秒間に44,100回」というように、決まった間隔で波の高さ(振幅)を読み取ります。このとき取り出された一つひとつの値を「サンプル」と呼びます。
標本化の間隔が短い(=1秒あたりの回数が多い)ほど、元のアナログ波形をより忠実に再現できます。CDでは1秒間に44,100回のサンプリングを行っており、これを「サンプリング周波数44.1kHz」と表現します。
量子化とは、標本化で取り出した値を、**あらかじめ決められた段階的な数値に丸める(近似する)**処理のことです。
標本化で取り出した値は、まだ「3.72…」のような中途半端な値を含んでいます。量子化では、この値を「4」のように最も近い段階の整数値に置き換えます。段階の数が多い(細かい)ほど、元の値に近い再現ができます。
たとえば、段階を8段階(0〜7)にするか、256段階(0〜255)にするかで、再現の精度が大きく変わります。CDでは65,536段階(16ビット)の量子化を採用しており、きめ細かな音の再現を実現しています。
符号化とは、量子化で得られた数値を、コンピュータが扱える2進数(0と1の列)に変換する処理のことです。
たとえば、量子化の結果が「5」であれば、2進数の「101」に変換します。「3」であれば「011」に変換します。こうして、もともと連続的なアナログ信号が、最終的に0と1の並び(デジタルデータ)に変換されます。
この0と1の列こそが、コンピュータが保存・処理・通信できるデジタルデータです。
デジタル化の精度
Section titled “デジタル化の精度”デジタル化の精度(元のアナログデータをどれだけ忠実に再現できるか)は、次の2つの要素で決まります。
| 要素 | 意味 | 精度を上げるには |
|---|---|---|
| 標本化の頻度 | 1秒間に何回値を取り出すか | 回数を増やす(間隔を短くする) |
| 量子化の段階数 | 何段階の値で表現するか | 段階数を増やす(細かくする) |
どちらも値を大きくするほど元のアナログデータに近い再現ができますが、その分データ量も増えます。CDの音質が電話の音質よりも優れているのは、標本化の頻度と量子化の段階数がどちらも大きいためです。
試験で出るポイント