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集合

数学やコンピュータの世界では、「ある条件を満たすものの集まり」を扱う場面が数多くあります。たとえば、「20歳以上の社員」「プログラミング言語を習得している学生」のように、条件に合うものをひとまとめにして考えるのが集合です。集合の考え方は、データベースの検索条件や論理回路の設計など、IT分野の基礎として広く活用されています。

集合とは、ある条件によって明確に定まる「もの」の集まりのことです。集合に含まれる一つ一つの「もの」を要素(または元)と呼びます。

たとえば、「1から10までの偶数の集合」は {2, 4, 6, 8, 10} であり、この集合には5つの要素が含まれています。

集合を表す方法には主に2つあります。

表記法説明
列挙法要素をすべて書き出すA = {2, 4, 6, 8, 10}
条件法要素が満たす条件で示すA = {x | xは1〜10の偶数}

要素 a が集合 A に含まれることを a ∈ A と書き、含まれないことを a ∉ A と書きます。

集合Aのすべての要素が集合Bにも含まれているとき、AはBの部分集合であるといい、A ⊆ B と書きます。

たとえば、A = {2, 4} で B = {1, 2, 3, 4, 5} のとき、Aの要素はすべてBに含まれているため、A ⊆ B です。

議論の対象となる要素全体の集合を全体集合(U)と呼びます。一方、要素を一つも持たない集合を空集合(∅)と呼びます。

2つの集合に対して、さまざまな演算(操作)を行うことができます。ここでは、A = {1, 2, 3, 4, 5}、B = {3, 4, 5, 6, 7} として具体例を見ていきましょう。

演算記号意味結果
和集合A ∪ BAまたはBに含まれる要素すべて{1, 2, 3, 4, 5, 6, 7}
積集合A ∩ BAかつBの両方に含まれる要素{3, 4, 5}
差集合A − BAには含まれるがBには含まれない要素{1, 2}
補集合Ā(Aバー)全体集合Uのうち、Aに含まれない要素{6, 7, 8, 9, 10}(U = {1〜10}のとき)

試験で出るポイント

和集合(∪)は「または(OR)」、積集合(∩)は「かつ(AND)」に対応します。この対応関係は論理演算やデータベースの検索条件にもつながる重要な概念です。

ベン図は、集合の関係を視覚的に表す図です。集合を円(または楕円)で表し、円が重なる部分で集合どうしの関係を示します。

ベン図を使うと、複雑な集合の関係も直感的に理解できます。たとえば、「A ∪ Bの補集合」は、ベン図上でA ∪ Bに色を塗り、その外側の領域として簡単に把握できます。

2つの集合A、Bの和集合の要素数は、次の公式で求められます。

|A ∪ B| = |A| + |B| − |A ∩ B|

これは、AとBの要素数をそのまま足すと、重なっている部分(積集合)を二重に数えてしまうため、1回分を引くという考え方です。

たとえば、40人のクラスで英語が得意な生徒が25人、数学が得意な生徒が20人、両方得意な生徒が10人いるとき、「英語または数学が得意な生徒」は 25 + 20 − 10 = 35人 です。

試験で出るポイント

ベン図を使った要素数の計算問題は頻出です。|A ∪ B| = |A| + |B| − |A ∩ B| の公式を覚え、具体的な数値を当てはめて計算する練習をしておきましょう。問題文では「どちらか一方でも○○な人数」のような言い回しで和集合が問われます。

命題とは、真(正しい)か偽(正しくない)かが明確に判定できる文や式のことです。

命題かどうか真偽
「3は奇数である」命題である
「5は偶数である」命題である
「今日はいい天気だ」命題ではない(主観的で判定基準が曖昧)

命題が正しいとき(True)、正しくないとき(False)といいます。

命題には、次のような基本的な組み合わせ方があります。

形式意味
否定(¬p)pでない「3は奇数でない」→ 偽
論理積(p ∧ q)pかつq「3は奇数である、かつ3は素数である」→ 真
論理和(p ∨ q)pまたはq「4は奇数である、または4は偶数である」→ 真

これらの命題の組み合わせは、次の章「論理演算」で詳しく学びます。

命題の真偽のすべての組み合わせと、その結果をまとめた表を真理値表と呼びます。真理値表は、条件の組み合わせを漏れなく確認するための強力なツールであり、論理回路の設計やプログラムの条件式の検証にも活用されています。

真理値表の具体的な使い方は、次の章「論理演算」で詳しく学びます。

試験で出るポイント

命題の定義(真偽が明確に判定できる文)を理解しておきましょう。集合の積集合(∩)は論理積(AND)に、和集合(∪)は論理和(OR)に対応するという関係も重要です。

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