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IoTデバイス

IoT(Internet of Things:モノのインターネット)とは、パソコンやスマートフォンだけでなく、家電製品・自動車・工場の機械・農業用設備など、あらゆる「モノ」がインターネットにつながり、データの収集・送受信・制御を行う仕組みのことです。

たとえば、エアコンがスマートフォンから遠隔操作できたり、工場の機械が自動的に稼働状況をクラウドに送信したりする仕組みは、すべてIoTの応用例です。

IoTでは、現実世界の情報を取得する「センサ」と、取得した情報にもとづいて物理的な動作を行う「アクチュエータ」が重要な役割を果たします。

センサは、温度・光・音・動き・位置などの物理的な変化を検知(検出)し、電気信号に変換する装置です。人間の「五感」に相当する役割をコンピュータに持たせるものといえます。

ITパスポート試験では、さまざまなセンサの種類と、それぞれがどのような場面で使われるかが問われます。主なセンサを見ていきましょう。

温度センサは周囲の温度を、湿度センサは空気中の水分量を検知するセンサです。エアコンの自動制御、農業のビニールハウス管理、食品の温度管理などに使われます。

加速度センサは、物体の加速度(速度の変化)を検知するセンサです。スマートフォンを傾けると画面が回転するのは、加速度センサが端末の傾きを検知しているためです。歩数計や自動車の衝突検知にも使われています。

ジャイロセンサは、物体の回転(角速度)を検知するセンサです。加速度センサが「どの方向に傾いているか」を検知するのに対し、ジャイロセンサは「どのくらい回転しているか」を検知します。

カーナビゲーションの向き検出、ドローンの姿勢制御、ゲームコントローラの動き検出などに活用されています。加速度センサとジャイロセンサを組み合わせることで、より精度の高い動き検出が可能になります。

GPS(Global Positioning System)は、人工衛星からの電波を受信して現在地の緯度・経度を測定する仕組みです。カーナビゲーション、スマートフォンの地図アプリ、配送車両の位置追跡などに利用されています。

地磁気センサは、地球の磁場(地磁気)を検知して方角を判定するセンサです。スマートフォンの方位磁針(コンパス)機能はこのセンサによって実現されています。GPSと組み合わせることで、「現在地」だけでなく「どちらの方角を向いているか」もわかるようになります。

赤外線センサは、物体から放射される赤外線を検知するセンサです。人体などの温かい物体は赤外線を多く放射するため、人の接近を感知する自動ドアや照明の人感センサ、防犯センサなどに使われています。また、体温を非接触で測定するサーモグラフィにも赤外線センサが活用されています。

光センサは、光の強さ(照度)を検知するセンサです。スマートフォンの画面の明るさ自動調整や、街灯の自動点灯・消灯などに使われています。

圧力センサは、物体にかかる圧力(力)を検知するセンサです。タイヤの空気圧監視、工場の配管の圧力管理、体重計などに利用されています。

センサ検知するもの主な用途
温度センサ温度エアコン制御、食品管理
湿度センサ湿度(水分量)農業管理、空調制御
加速度センサ加速度(傾き・振動)画面回転、歩数計、衝突検知
ジャイロセンサ角速度(回転)カーナビ、ドローン姿勢制御
GPS位置(緯度・経度)地図アプリ、カーナビ、物流追跡
地磁気センサ地磁気(方角)コンパス機能
赤外線センサ赤外線(熱)人感センサ、サーモグラフィ
光センサ光の強さ画面の明るさ自動調整、街灯
圧力センサ圧力(力)タイヤ空気圧、体重計

試験で出るポイント

センサの種類と用途の組み合わせは頻出です。「加速度センサ=傾き・振動を検知」「ジャイロセンサ=回転を検知」の違いはとくに問われやすいので、区別して覚えましょう。

アクチュエータは、電気信号を受け取って物理的な動作(回転・移動・押す・引くなど)を行う装置です。センサが「検知する(入力)」役割であるのに対し、アクチュエータは「動かす(出力)」役割を担います。

たとえば、温度センサが「室温が高い」と検知したら、エアコンのアクチュエータがコンプレッサーを動かして冷房を開始する、という流れです。IoTの世界では「センサで情報を集め、アクチュエータで物理的に動かす」というサイクルが基本になります。

代表的なアクチュエータには以下のものがあります。

アクチュエータ仕組み用途の例
DCモーター電気エネルギーで回転運動を行う扇風機、電気自動車のモーター、ロボットアーム
油圧シリンダ油の圧力で直線運動を行う建設機械のアーム、プレス機
空気圧シリンダ圧縮空気の力で直線運動を行う工場の組立ライン、自動ドア

試験で出るポイント

「アクチュエータ」と「センサ」を混同しないよう注意しましょう。センサは「検知する装置」、アクチュエータは「動作する装置」です。試験では「アクチュエータの説明として適切なものはどれか」という形式で出題されることがあります。

IoTはさまざまな分野で活用されています。試験でもよく登場する代表的な事例を紹介します。

ウェアラブルデバイスは、身体に装着して使うIoTデバイスの一種です。スマートウォッチ、スマートグラス、活動量計(アクティビティトラッカー)などがあります。心拍数や歩数などの生体情報をセンサで収集し、スマートフォンやクラウドにデータを送信して健康管理やフィットネスに活用します。

スマートメーターは、電気やガスの使用量を自動的に計測し、通信回線を通じて電力会社やガス会社にデータを送信するIoT対応の計量器です。検針員が訪問して目視で計測する必要がなくなり、リアルタイムの使用状況の把握や料金の自動計算が可能になります。

テレマティクスは、自動車などの移動体に通信機能を搭載し、GPSセンサや各種センサの情報をリアルタイムに収集・活用する仕組みです。「テレコミュニケーション(通信)」と「インフォマティクス(情報処理)」を組み合わせた造語です。

具体的には、カーナビゲーションのリアルタイム渋滞情報、自動車保険のドライバー行動分析、配送車両の運行管理などに活用されています。

センサとアクチュエータの連携

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IoTシステムの基本的な流れを整理すると、次のようになります。

  1. センサが現実世界の情報(温度、位置、動きなど)を検知する
  2. 検知したデータがネットワーク経由でクラウドやサーバーに送信される
  3. データを分析・判断して、指示が出される
  4. アクチュエータが指示にもとづいて物理的な動作を行う

この「検知 → 送信 → 判断 → 動作」のサイクルがIoTの基本モデルです。

試験で出るポイント

IoTデバイスの問題では、「どのセンサがどの場面で使われるか」を問う出題が最も多くなっています。また、ウェアラブルデバイス・スマートメーター・テレマティクスなどの活用事例の定義を正確に理解しておきましょう。テレマティクスは「自動車+通信+情報処理」というキーワードで押さえるのがポイントです。

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