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ユニバーサルデザイン

私たちの身の回りには、年齢、性別、障害の有無、言語の違いなど、さまざまな人がいます。こうした違いにかかわらず、「最初から」できるだけ多くの人が使いやすいように製品やサービス、環境を設計する考え方をユニバーサルデザインと呼びます。

たとえば、駅のエレベーターは車いすの人だけでなく、ベビーカーを押す人や大きな荷物を持った人にも便利です。シャンプーボトルの側面にある凹凸のきざみは、目が見えない人だけでなく、目をつぶっている状態でもシャンプーとリンスを区別できるようにしたユニバーサルデザインの一例です。

ユニバーサルデザインで重要なのは、「障害がある人のための特別な対応」ではなく、「はじめから誰にとっても使いやすい設計にする」という発想です。

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

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ユニバーサルデザインとよく似た言葉にバリアフリーがあります。この2つは混同しやすいですが、考え方が異なります。

項目バリアフリーユニバーサルデザイン
考え方既にある障壁(バリア)を取り除く最初から障壁がないように設計する
対象主に高齢者・障害者すべての人
タイミング事後的な対応(後から改修)設計段階からの対応
具体例段差にスロープを後付けする最初から段差のない床にする

バリアフリーが「すでにある不便を解消する」アプローチであるのに対し、ユニバーサルデザインは「そもそも不便が生まれないように最初から設計する」アプローチです。

試験で出るポイント

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いは頻出です。「バリアフリー=障壁の除去(事後対応)」「ユニバーサルデザイン=最初から誰でも使えるように設計」という対比を正確に押さえておきましょう。

アクセシビリティとは、年齢や障害の有無にかかわらず、どのような人でも製品やサービス、情報にアクセスし、利用できる度合いのことです。「アクセスのしやすさ」と考えるとわかりやすいでしょう。

アクセシビリティが高い製品やサービスの例を見てみましょう。

  • スマートフォンの音声読み上げ機能(画面が見えなくても操作できる)
  • テレビの字幕放送(耳が聞こえなくても内容がわかる)
  • 建物の自動ドア(手が不自由でも出入りできる)

アクセシビリティは、ユニバーサルデザインを実現するための重要な要素です。「誰でも使える設計」を目指すユニバーサルデザインにおいて、実際に「どれだけ多くの人がアクセスできるか」を測る指標がアクセシビリティだといえます。

Webアクセシビリティとは、高齢者や障害のある人を含め、すべての人がWebサイトやWebサービスを支障なく利用できるようにする取り組みのことです。

Webアクセシビリティを高めるための具体的な工夫には、次のようなものがあります。

  • 画像に代替テキスト(alt属性)を付ける → 音声読み上げソフトで画像の内容が伝わる
  • 文字サイズを拡大できるようにする → 視力が低い人でも読みやすくなる
  • キーボードだけで操作できるようにする → マウスが使えない人でも利用できる
  • 色だけに頼らず、形や文字でも情報を伝える → 色覚に特性がある人にも伝わる

近年は、多くの人がスマートフォンやパソコンを通じて情報を得る時代です。Webアクセシビリティへの配慮は、IT分野でのユニバーサルデザインの実践として非常に重要な位置づけにあります。

ピクトグラムとは、情報や注意事項を、言語に頼らず絵文字や記号で視覚的に伝える表示方法です。「絵文字」「絵ことば」とも呼ばれます。

身近なピクトグラムの例を挙げてみましょう。

  • 非常口を示す緑色の「走る人」のマーク
  • トイレの「男性・女性」を示すマーク
  • 空港や駅にある「案内所」「エレベーター」「禁煙」などのマーク

ピクトグラムの最大の利点は、言葉がわからなくても意味が伝わることです。海外からの旅行者や、文字が読めない子どもにも直感的に情報を伝えることができます。これはまさにユニバーサルデザインの考え方を体現しています。

試験で出るポイント

ピクトグラムは「言語に頼らず絵記号で情報を伝える表示」と覚えましょう。非常口マークやトイレの表示など、具体例と結びつけて理解しておくと確実です。

インフォグラフィックとは、数値データや複雑な情報を、図・グラフ・イラストなどを組み合わせて視覚的にわかりやすく表現したものです。「情報(Information)」と「グラフィック(Graphic)」を組み合わせた言葉です。

たとえば、以下のようなものがインフォグラフィックにあたります。

  • 鉄道の路線図(複雑な路線の接続関係をわかりやすく図示)
  • 新聞やWebサイトで見かける統計データの視覚化(人口推移をイラスト付きの図で表現)
  • 災害時の避難経路を示すイラスト入りの案内図

インフォグラフィックは、文字や数字だけでは伝わりにくい情報を、ひと目で直感的に理解できるようにすることが目的です。ピクトグラムが「単一の情報を絵記号で伝える」のに対して、インフォグラフィックは「複数の情報やデータの関係性を図で伝える」点が異なります。

ユニバーサルデザインには、設計の指針となる7つの原則があります。すべてを暗記する必要はありませんが、考え方を理解しておきましょう。

原則意味身近な例
公平な利用誰でも同じように使える自動ドア
利用における柔軟性使い方を選べる左右どちらでも使えるハサミ
単純で直感的な利用使い方がすぐわかるピクトグラムによる案内表示
認知できる情報必要な情報が確実に伝わる音と光の両方で知らせる信号機
誤りに対する寛大さ間違えても安全ゴミ箱の「元に戻す」機能
少ない身体的な努力楽に使えるレバー式のドアハンドル
接近や利用のためのサイズと空間十分な広さがある車いすでも入れる広いトイレ

試験で出るポイント

7原則の個別名称が問われることは少ないですが、「ユニバーサルデザインとは何か」を問う選択肢の中に、これらの原則の考え方が含まれることがあります。「最初から誰でも使えるように設計する」という基本的な考え方を理解しておくことが大切です。
用語意味
ユニバーサルデザイン最初から誰でも使いやすいように設計する考え方
バリアフリー既にある障壁を取り除く考え方
アクセシビリティ誰でもアクセス・利用できる度合い
Webアクセシビリティすべての人がWebを利用できるようにする取り組み
ピクトグラム言語に頼らず絵記号で情報を伝える表示
インフォグラフィック情報やデータを図・グラフで視覚的に表現したもの

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