静止画処理
静止画データの2つの形式
Section titled “静止画データの2つの形式”コンピュータで静止画(動かない画像)を扱うとき、データの表現方法は大きくラスターデータとベクターデータの2種類に分かれます。この違いは画像処理の最も基本的な概念です。
ラスターデータ(ビットマップデータ)
Section titled “ラスターデータ(ビットマップデータ)”ラスターデータ(ビットマップデータ)は、画像を小さな点の集まりとして表現する方式です。この小さな点の一つひとつをピクセル(画素)と呼びます。
たとえば、デジタルカメラで撮影した写真を思い浮かべてください。一見なめらかに見えますが、画像を拡大していくと、細かな四角い点が格子状に並んでいるのがわかります。このように、ラスターデータは無数のピクセルで画像を構成しています。
ラスターデータの特徴は次のとおりです。
- 写真のように色の変化が複雑な画像を自然に表現できる
- 拡大すると画質が劣化する(ピクセルが目立ち、ギザギザになる)
- ピクセル数が多いほどファイルサイズが大きくなる
ベクターデータ
Section titled “ベクターデータ”ベクターデータは、画像を座標や数式(直線、曲線、円など)の情報で表現する方式です。「始点(10, 20)から終点(50, 80)まで赤い線を引く」のように、図形の形状を数値で記録します。
ベクターデータの特徴は次のとおりです。
- どれだけ拡大・縮小しても画質が劣化しない(数式から再計算されるため)
- ロゴや図形、アイコンなど、輪郭がはっきりした画像に適している
- 写真のように複雑な色合いの表現には向かない
試験で出るポイント
解像度と階調
Section titled “解像度と階調”静止画の品質を左右する重要な要素として、解像度と階調があります。解像度や階調の詳しい仕組みは「グラフィックス処理」で解説しますが、画像形式を理解するうえで必要な基本を押さえておきましょう。
解像度とは、画像の細かさを表す指標です。一般的には「1インチあたりのピクセル数」で表され、数値が大きいほど画像はきめ細かくなります。たとえば、同じ大きさの写真でも、72 dpi(Webでの一般的な解像度)と300 dpi(印刷向けの解像度)では、300 dpi のほうがきれいですが、データ量も大きくなります。
階調とは、色や明るさの段階数のことです。たとえば、白と黒の2段階しかなければ「2階調」、256段階あれば「256階調」です。階調が多いほど、色のグラデーションがなめらかに表現されます。
主要な画像ファイル形式
Section titled “主要な画像ファイル形式”静止画にはさまざまなファイル形式(フォーマット)があり、それぞれ特徴が異なります。用途に応じて使い分けることが大切です。
ここで、圧縮方式について簡単に触れておきます。非可逆圧縮とは、データの一部を捨てることでファイルサイズを大幅に小さくする方式です。元のデータに完全には戻せませんが、圧縮率が高いのが特徴です。一方、可逆圧縮とは、データを完全に元に戻せる方式です。圧縮率は非可逆圧縮ほど高くありませんが、画質の劣化がありません。
| 形式 | 正式名称 | 圧縮方式 | 主な特徴 | 代表的な用途 |
|---|---|---|---|---|
| JPEG | Joint Photographic Experts Group | 非可逆圧縮 | フルカラー(約1,677万色)対応。圧縮率が高い | デジカメの写真、Webの写真 |
| GIF | Graphics Interchange Format | 可逆圧縮 | 最大256色。アニメーション対応。透過対応 | Webのアイコン、簡易アニメーション |
| PNG | Portable Network Graphics | 可逆圧縮 | フルカラー対応。透過対応。GIFの後継的存在 | Webのロゴ、図表、スクリーンショット |
| BMP | Bitmap | 非圧縮(原則) | 圧縮しないためファイルサイズが大きい | Windows標準の画像形式 |
| TIFF | Tagged Image File Format | 可逆圧縮/非圧縮 | 高画質を保持できる。複数ページ対応 | 印刷・出版、医療画像 |
| EPS | Encapsulated PostScript | ― | ベクターデータとラスターデータの両方を格納可能 | DTP(印刷物のデザイン)、ロゴ |
形式選びのポイント
Section titled “形式選びのポイント”画像形式の選択は、「何を表現するか」と「どこで使うか」で決まります。
- 写真をWebに載せたい → JPEG(高い圧縮率でファイルサイズを抑えられる)
- 背景が透明なロゴをWebに載せたい → PNG(透過に対応し、画質劣化もない)
- 簡単なアニメーションを表示したい → GIF(アニメーション機能あり)
- 高画質のまま印刷に使いたい → TIFF(画質を保持したまま保存できる)
- 印刷用のデザインデータを受け渡したい → EPS(ベクター・ラスター両対応)
試験で出るポイント