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マルチメディア技術の応用

マルチメディア技術が活躍する場面

Section titled “マルチメディア技術が活躍する場面”

文字・画像・音声・動画といったマルチメディアの要素を組み合わせる技術は、エンターテインメントだけでなく、教育・医療・ビジネスなど幅広い分野で活用されています。ここでは、ITパスポート試験で問われる代表的な応用技術を見ていきましょう。

コンピュータグラフィックス(CG)の応用

Section titled “コンピュータグラフィックス(CG)の応用”

CG(Computer Graphics:コンピュータグラフィックス) とは、コンピュータを使って画像や映像を生成する技術です。CGの基本的な色表現や解像度の仕組みは「グラフィックス処理」で扱いますが、ここではCGがどのような場面で応用されているかに注目します。

CGは、映画やアニメーションの映像制作はもちろん、建築物の完成予想図、自動車の設計シミュレーション、医療画像の立体表示など、あらゆる分野で欠かせない技術です。とくに3D(三次元)のCGは、奥行きのあるリアルな映像を生み出すことができ、ゲームシミュレーターで広く使われています。

シミュレーターとは、現実の状況をコンピュータ上で模擬的に再現する装置やソフトウェアのことです。たとえば、飛行機の操縦訓練に使うフライトシミュレーターや、手術の手順を練習する医療シミュレーターがあります。いずれもCGによるリアルな3D映像が、本物に近い訓練体験を可能にしています。

VR・AR・MR ── 現実と仮想の融合

Section titled “VR・AR・MR ── 現実と仮想の融合”

近年、現実世界と仮想世界を組み合わせる技術が急速に発展しています。代表的な3つの技術を、それぞれの違いに注目しながら整理しましょう。

VR(Virtual Reality:仮想現実) は、コンピュータが作り出した仮想の世界に、利用者が入り込んだかのような体験を提供する技術です。専用のヘッドセット(ゴーグル型の装置)を装着すると、視界のすべてが仮想空間に置き換わり、頭を動かせばそれに合わせて景色も変わります。

VRの活用例としては、ゲームでの没入体験、手術の訓練用シミュレーター、不動産の内見体験(実際に現地へ行かずに部屋を見て回る)などがあります。

AR(Augmented Reality:拡張現実) は、現実の世界にデジタル情報を重ね合わせて表示する技術です。VRが「すべてを仮想に置き換える」のに対し、ARは「現実はそのまま見えていて、そこに情報を付け加える」点が大きな違いです。

身近な例では、スマートフォンのカメラを街にかざすと画面上に経路案内の矢印が表示されるナビゲーションアプリや、カメラで自分の顔を映すとメイクや眼鏡を試着できるアプリがARの応用です。

MR(Mixed Reality:複合現実) は、現実世界と仮想世界を融合させ、両者が互いに影響し合う環境を作り出す技術です。ARが「現実の上に情報を重ねるだけ」であるのに対し、MRでは仮想のオブジェクト(物体)が現実の空間を認識し、たとえば現実のテーブルの上に仮想の建築模型を置いて、手で回転させたり拡大したりできます。

技術正式名称特徴具体例
VRVirtual Reality(仮想現実)視界すべてが仮想世界ゲーム、手術シミュレーター
ARAugmented Reality(拡張現実)現実世界にデジタル情報を重畳スマホのナビ表示、試着アプリ
MRMixed Reality(複合現実)現実と仮想が双方向に融合仮想模型を現実空間で操作

試験で出るポイント

VR・AR・MRの違いは頻出です。「完全に仮想=VR」「現実+情報の重ね合わせ=AR」「現実と仮想の双方向融合=MR」と整理しておきましょう。

メタバースとは、インターネット上に構築された仮想の3D空間で、多くの人がアバター(自分の分身となるキャラクター)を通じて交流したり、経済活動を行ったりできる世界のことです。「メタ(超越)」と「ユニバース(宇宙)」を組み合わせた造語です。

メタバースでは、VR技術を使って仮想空間に「入り込む」体験ができるだけでなく、仮想の店舗で買い物をしたり、仮想の会議室で打ち合わせをしたり、仮想のイベント会場でコンサートを楽しんだりと、現実社会に近い活動が可能です。近年は企業がメタバース上にバーチャルオフィスを開設するなど、ビジネス分野での活用も広がっています。

テレビやディスプレイの映像品質を左右する要素の一つが解像度(画面を構成する画素の数)です。従来のフルHD(1920×1080画素)を基準に、より高精細な映像規格が登場しています。

規格横×縦の画素数フルHDとの比較
フルHD1920×1080基準(約207万画素)
4K3840×2160約4倍(約829万画素)
8K7680×4320約16倍(約3,318万画素)

4KはフルHDの約4倍、8KはフルHDの約16倍の画素数を持ちます。画素数が多いほど映像はきめ細かく、大画面でも鮮明に表示できます。4K・8K放送は日本でもすでに実用化されており、スポーツ中継や医療映像など、細部まで鮮明に見せたい用途で特に効果を発揮します。

ディジタルサイネージ(電子看板)とは、ディスプレイやプロジェクターなどの電子的な表示機器を使って、公共の場所で情報を発信する仕組みです。駅の構内にある列車の発車案内板、商業施設の広告用大型モニター、病院の受付案内パネルなどが代表的な例です。

従来の紙のポスターや看板と異なり、ディジタルサイネージにはネットワークに接続されているものが多く、表示内容を遠隔から即座に更新できるという利点があります。時間帯や場所に応じて表示する広告を切り替えたり、災害時に緊急情報を一斉に配信したりすることも可能です。

試験で出るポイント

ディジタルサイネージの定義では「電子的な表示機器」「公共の場所」「ネットワーク経由で情報配信」の3つの要素がポイントです。紙の看板との違いを意識しましょう。

プロジェクションマッピングとは、建物や物体などの立体物の表面にプロジェクターで映像を投影し、あたかも建物自体が動いたり変化したりしているかのような演出を行う技術です(基本的な仕組みは「グラフィックス処理」でも解説しています)。

投影対象の形状に合わせて映像を精密に加工するため、平面のスクリーンに映す一般的な映像投影とは異なり、立体的でダイナミックな視覚効果が得られます。イベントやテーマパークの演出、歴史的建造物のライトアップなどで使われています。

マッシュアップとは、複数のWebサービスやデータをAPI(Application Programming Interface:外部からサービスの機能を利用するための仕組み)を通じて組み合わせ、新しいサービスを作り出す手法のことです。

たとえば、地図サービスのAPIと飲食店の口コミ情報を組み合わせて「地図上にレストランの評価を表示するサービス」を作ったり、天気予報のAPIと観光スポットの情報を組み合わせて「天気がよい日のおすすめ観光地を表示するアプリ」を作ったりすることがマッシュアップの例です。

既存のサービスを「部品」として再利用するため、ゼロから開発するよりも短期間・低コストで新しいサービスを構築できる点が大きなメリットです。

試験で出るポイント

マッシュアップは「複数のWebサービスをAPIで組み合わせて新サービスを作る」という定義を押さえましょう。過去問では定義文を選ばせる形式で出題されています。

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