表計算ソフト
表計算ソフトとは
Section titled “表計算ソフトとは”表計算ソフトは、データの入力・集計・分析・グラフ作成などを行うためのソフトウェアです。代表的な製品にMicrosoft Excelがあります。ITパスポート試験ではオフィスツールの中で最も出題頻度が高い分野ですので、基本的な仕組みをしっかり理解しましょう。
セルとワークシート
Section titled “セルとワークシート”表計算ソフトの画面は、縦の列(A, B, C…)と横の行(1, 2, 3…)で構成された格子状のマス目になっています。この一つひとつのマス目をセルと呼びます。セルには、文字・数値・数式などを入力できます。
各セルは列と行の組み合わせで表されます。たとえば、A列の1行目は「A1」、C列の5行目は「C5」のように指定します。これをセル番地(セルアドレス)といいます。
この格子状の作業領域全体をワークシート(シート)と呼びます。一つのファイル(ブック)の中に複数のワークシートを作成でき、用途に応じてシートを分けて管理できます。
数式の中で他のセルの値を利用することをセル参照といいます。たとえば、セルC1に「=A1+B1」と入力すると、A1とB1の値を足した結果がC1に表示されます。
セル参照には3つの種類があり、数式をコピーしたときの動きが異なります。
相対参照は、数式をコピーすると、コピー先の位置に合わせてセル番地が自動的にずれる参照方式です。これが表計算ソフトの標準の動作です。
たとえば、セルC1に「=A1+B1」と入力し、これを1行下のC2にコピーすると、数式は自動的に「=A2+B2」に変わります。行を1つ下にコピーしたので、参照先も1つ下にずれるのです。
絶対参照は、数式をコピーしても参照先が変わらない参照方式です。セル番地の列と行の前に**$記号を付けて「$A$1**」のように表記します。
たとえば、消費税率のように「すべての計算で同じセルの値を使いたい」場合に絶対参照を使います。セルB1に税率10%が入っていて、各商品の税込価格を計算する数式「=A2*$B$1」をC2に入力し、C3、C4にコピーしても、$B$1の部分は変わらずB1を参照し続けます。
複合参照は、列または行の一方だけを固定し、もう一方は相対参照とする方式です。「$A1」のように書くと列Aだけが固定され、行はコピー先に応じてずれます。「A$1」のように書くと行1だけが固定され、列はコピー先に応じてずれます。
| 参照方式 | 表記例 | コピー時の動作 |
|---|---|---|
| 相対参照 | A1 | 列・行ともにずれる |
| 絶対参照 | $A$1 | 列・行ともに固定される |
| 複合参照 | $A1 または A$1 | $が付いた方だけ固定される |
試験で出るポイント
表計算ソフトでは、関数を使うことで複雑な計算や処理を簡単に行えます。関数は「=関数名(引数)」の形式で入力します。ITパスポート試験で出題される代表的な関数を見ていきましょう。
集計・統計関数
Section titled “集計・統計関数”| 関数 | 機能 | 使用例 | 結果の例 |
|---|---|---|---|
| SUM | 合計を求める | =SUM(A1:A5) | A1からA5の合計 |
| AVERAGE | 平均を求める | =AVERAGE(A1:A5) | A1からA5の平均 |
| COUNT | 数値が入っているセルの個数を数える | =COUNT(A1:A5) | 数値セルの個数 |
| MAX | 最大値を求める | =MAX(A1:A5) | A1からA5の最大値 |
| MIN | 最小値を求める | =MIN(A1:A5) | A1からA5の最小値 |
端数処理関数
Section titled “端数処理関数”| 関数 | 機能 | 使用例 | 結果の例 |
|---|---|---|---|
| ROUND | 指定した桁数で四捨五入する | =ROUND(3.456, 1) | 3.5 |
| INT | 小数点以下を切り捨てて整数にする | =INT(3.9) | 3 |
条件分岐関数 ── IF
Section titled “条件分岐関数 ── IF”IF関数は、条件に応じて異なる値を返す関数です。書式は次のとおりです。
=IF(条件, 真の場合の値, 偽の場合の値)たとえば、セルA1の点数が60点以上なら「合格」、60点未満なら「不合格」と表示したい場合は、次のように記述します。
=IF(A1>=60, "合格", "不合格")論理関数 ── AND・OR
Section titled “論理関数 ── AND・OR”AND関数は、すべての条件が成り立つとき(かつ)にTRUEを返します。OR関数は、いずれかの条件が成り立つとき(または)にTRUEを返します。
IF関数と組み合わせることで、複数条件の判定ができます。たとえば「国語が60点以上、かつ数学が60点以上なら合格」という判定は次のように書きます。
=IF(AND(A1>=60, B1>=60), "合格", "不合格")「国語または数学のどちらかが80点以上なら特待生」としたい場合は、次のように書きます。
=IF(OR(A1>=80, B1>=80), "特待生", "一般")試験で出るポイント
検索関数 ── VLOOKUP
Section titled “検索関数 ── VLOOKUP”VLOOKUP関数は、指定した表の中からデータを検索して、対応する値を取り出す関数です。書式は次のとおりです。
=VLOOKUP(検索値, 検索範囲, 列番号, 検索方法)たとえば、商品コードを入力すると商品名を自動表示するような場面で使います。商品一覧が別の表にあり、商品コード「A003」に対応する商品名(2列目)を探す場合は次のように書きます。
=VLOOKUP("A003", E1:F10, 2, FALSE)最後の引数の「FALSE」は完全一致検索を意味し、通常はFALSEを指定します。
文字列結合関数 ── CONCATENATE
Section titled “文字列結合関数 ── CONCATENATE”CONCATENATE関数は、複数のセルの文字列を結合して一つの文字列にする関数です。
=CONCATENATE(A1, B1)A1に「田中」、B1に「太郎」と入っていれば、結果は「田中太郎」になります。
マクロは、一連の操作手順を記録し、自動的に再実行できる機能です。文書作成ソフトのページで紹介したものと同じ概念ですが、表計算ソフトでは特に活用の場面が多くあります。たとえば「毎月の売上データをフィルタリングして、特定の書式で集計表を作成する」といった定型作業をマクロに記録しておけば、ボタン一つで同じ作業を繰り返せます。
ピボットテーブル
Section titled “ピボットテーブル”ピボットテーブルとは、大量のデータをさまざまな視点から集計・分析するための機能です。「ピボット(pivot)」は「軸」を意味し、集計の軸(行・列に何を配置するか)をドラッグ操作で自由に入れ替えながら、データを多角的に分析できます。
たとえば、全店舗の売上データがあるとき、「店舗別×月別の売上合計」「商品カテゴリ別×地域別の売上合計」など、同じデータから異なる切り口の集計表を瞬時に作成できます。
CSV(Comma Separated Values)とは、データをカンマ(,)で区切って記録するテキスト形式のファイルフォーマットです。ファイルの拡張子は「.csv」です。
CSVはシンプルな構造のため、表計算ソフトだけでなく、データベースソフトやプログラミング言語など、さまざまなソフトウェア間でデータをやり取りする際に広く使われています。特定のソフトウェアに依存しない汎用的なデータ交換形式として重要です。
たとえば、次のようなCSVデータは表計算ソフトで開くと3行2列の表として表示されます。
商品名,価格りんご,150みかん,100試験で出るポイント